蜂蜜を口にすると、少しの量でもしっかり甘く感じます。「花の蜜を集めただけなのに、なぜこんなに甘いの?」と不思議に思いますよね。
蜂蜜が甘いのは、果糖とぶどう糖を多く含むためです。ミツバチは花蜜に、体から出る酵素を加えます。さらに水分をへらし、こい蜂蜜にします。
花蜜が蜂蜜へ変わる流れをたどると、甘さの理由がよく分かります。
蜂蜜が甘いのは果糖とぶどう糖が多いから
蜂蜜の甘さの中心は、果糖とぶどう糖です。どちらも「単糖」と呼ばれる、これ以上小さく分けなくても吸収できる形の糖です。
文部科学省の食品成分データベースでも、国産蜂蜜には果糖とぶどう糖が多く含まれることが示されています。
特に果糖は甘みを強く感じやすい糖です。蜂蜜に果糖が多いことが、濃い甘さにつながっています。
ミツバチの酵素が花蜜の糖を変える
花蜜には、ショ糖を多く含むものがあります。ショ糖は、私たちが使う砂糖の主成分と同じ種類の糖です。
ミツバチは花蜜を集めて巣へ運び、仲間へ口移しで渡します。その間に、ミツバチの体から出る酵素が混ざります。そして、砂糖の仲間であるショ糖が、果糖とぶどう糖に分かれます。
蜂蜜の甘さは、花だけで完成するものではありません。花蜜とミツバチの働きが合わさって生まれます。
水分を飛ばすことで甘さが濃くなる
集めたばかりの花蜜は、完成した蜂蜜より水分が多い状態です。
ミツバチは巣房へ花蜜を広げ、羽ばたきで風を送りながら水分を蒸発させます。日本養蜂協会によると、水分が20%程度になると、巣房へ蜜ろうの蓋をします。
水分が減ると糖の割合が高まり、甘さがぎゅっと濃くなります。同時に、多くの菌がふえにくく、長く保存しやすい食品へ近づきます。
蜂蜜によって甘さと風味が違うのは花が違うから
花蜜の糖の割合や香りは、植物によって異なります。そのため、同じ蜂蜜でも、蜜を集める花によって甘さの感じ方や後味が変わります。
果糖とぶどう糖の割合は、結晶化のしやすさにも関係します。ぶどう糖が多い蜂蜜ほど、白く結晶化しやすい傾向があります。
白く固まった蜂蜜が食べられる状態か、元のやわらかさへどう戻すかは、こちらの記事で詳しく説明しています。
甘さだけでなく、香りや酸味、余韻も含めて味わうと、花ごとの個性を感じやすくなります。
甘いから砂糖を加えているとは限らない
純粋な蜂蜜は、砂糖を加えなくても十分に甘くなります。ミツバチが糖の形を変え、水分を減らしているためです。
ただし、市販品には蜂蜜そのもののほか、蜂蜜へシロップや果汁などを加えた加工品もあります。購入するときは商品名だけで判断せず、原材料表示を確認しましょう。
梅島ふるうつ屋が蜂蜜作りで大切にしていることは、こちらの記事で紹介しています。

まとめ
蜂蜜が甘いのは、果糖とぶどう糖を多く含むためです。ミツバチの体から出る酵素が、花蜜にある砂糖の仲間を分け、さらに水分を飛ばして濃縮することで、濃い甘さの蜂蜜になります。
花の種類が変われば、糖の割合や香りも変わります。蜂蜜を食べ比べるときは、甘さの強さだけでなく、香りや後味にも注目してみてください。
