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マヌカハニーとはちみつの違いは?成分・味・値段・選び方を養蜂家が解説

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「マヌカハニーって、普通のはちみつと何が違うの?」と疑問に思ったことはありませんか?

スーパーやネットで見てみると、一般的なはちみつより値段が高く、「MGO」「UMF」といった見慣れない数字も書かれています。

「健康に良さそうだけど、普通のはちみつではダメなの?」
「高いお金を出してマヌカハニーを選ぶ意味はある?」

そんな疑問を持つ方もいると思います。

実は、マヌカハニーも大きく分ければ「はちみつ」の一種です。ただし、採れる花や含まれる成分、味、価格などには違いがあります。

この違いを知らずに「マヌカハニーのほうが良さそう」というイメージだけで選んでしまうと、自分の目的には普通のはちみつで十分だった、ということもあります。

そこで今回は、マヌカハニーと普通のはちみつは何が違うのか、成分・味・値段などを比較しながら、養蜂家の視点からわかりやすく解説します。

「結局、自分はどちらを選べばいいの?」というところまで紹介していきます。

マヌカハニーと普通のはちみつの違い

マヌカハニーと普通のはちみつは、まったく別の食品ではありません。マヌカハニーも、ミツバチが花の蜜から作る「はちみつ」の一種です。

大きな違いは、蜜源となる花や産地、含まれる成分などです。

まずは、主な違いを簡単に比較してみましょう。

比較項目マヌカハニー一般的なはちみつ
採れる花主にマヌカの花アカシア、レンゲ、みかんなどさまざま
主な産地ニュージーランド日本を含め世界各地
味・香り濃厚で独特な風味がある花によって大きく異なる
特徴的な成分MGO(メチルグリオキサール)など糖類のほか、花由来のさまざまな成分を含む
独自の指標MGO・UMFなど基本的にマヌカハニーのような共通の指標はない
価格比較的高価なものが多い種類によって幅がある
主な使われ方そのまま食べるなど、マヌカ特有の成分を意識して選ばれることが多いそのまま食べるほか、パン、ヨーグルト、飲み物、料理など幅広く使われる

つまり、「マヌカハニーとはちみつのどちらがいいか」ではなく、たくさんあるはちみつの中の一つがマヌカハニーと考えると分かりやすいでしょう。

ただ、マヌカハニーには一般的なはちみつとは異なる特徴もあります。

ここからは、なぜこのような違いが生まれるのかを順番に見ていきます。

マヌカハニーはマヌカの花から採れるはちみつ

先ほど紹介したように、マヌカハニーもはちみつの一種です。

その名前の通り、主に「マヌカ」という植物の花の蜜から作られたはちみつをマヌカハニーと呼びます。

「普通のはちみつとは別物」と考えるよりも、アカシアはちみつやみかんはちみつなどと同じように、採れる花によって分けられたはちみつの一つと考えると分かりやすいでしょう。

ニュージーランドなどに自生するマヌカから採れる

マヌカは、ニュージーランドなどに自生する植物です。

ミツバチがマヌカの花から蜜を集め、巣の中に持ち帰って作ったものがマヌカハニーになります。

そのため、日本で身近な花から採れるはちみつとは、蜜源となる植物だけでなく、主な産地にも違いがあります。

はちみつは採れる花によって味や特徴が変わる

養蜂をしているとよく分かりますが、はちみつは「どの花から採れたか」によって味や香り、色などが変わります。

たとえば、桜、みかん、アカシアでは、それぞれ採れるはちみつの風味や色に違いがあります。

同じミツバチが作るはちみつでも、蜜源となる花が変われば、出来上がるはちみつも同じではありません。

マヌカハニーもその一つです。

「マヌカハニー」と「はちみつ」を別々のものとして考えるのではなく、さまざまな花から採れるはちみつの中に、マヌカの花から採れるマヌカハニーがあると考えると、その違いが理解しやすくなります。

マヌカハニーが普通のはちみつと大きく違うのは特徴的な成分

マヌカハニーが注目される大きな理由の一つが、MGO(メチルグリオキサール)という成分を多く含むものがあることです。

ただし、普通のはちみつに栄養や成分がほとんどない、という意味ではありません。はちみつには糖類を中心に、酵素、有機酸、アミノ酸、ミネラル、植物由来の成分など、さまざまなものが含まれています。(⁠PubMed)

マヌカハニーに含まれるMGOとは

MGOは「メチルグリオキサール」という成分です。

マヌカの花蜜に含まれるDHA(ジヒドロキシアセトン)という成分が、はちみつの中で変化することでMGOが生まれます。(⁠MPI)

マヌカハニーの商品を見ると「MGO 100+」「MGO 400+」などと表示されていることがあります。このMGOについては、次の見出しでUMFとあわせて詳しく説明します。

なお、MGOだけで「本物のマヌカハニーかどうか」が決まるわけではありません。ニュージーランド政府は、輸出されるマヌカハニーについて、4つの化学的な特徴と1つのDNAマーカーを組み合わせて判定しています。(⁠MPI)

普通のはちみつにもさまざまな成分が含まれている

マヌカハニーのMGOが注目されると、「普通のはちみつには糖分くらいしか入っていないの?」と思うかもしれません。

しかし、一般的なはちみつにも、ブドウ糖や果糖などの糖類だけでなく、酵素、有機酸、アミノ酸、ミネラル、フェノール類など、さまざまな成分が含まれています。(⁠PubMed)

さらに、はちみつの成分は蜜源となる花や産地などによっても変わります。(⁠PubMed Central (PMC))

そのため、「マヌカハニーには成分がある、普通のはちみつにはない」と考えるのではなく、それぞれのはちみつに違った特徴があると考えるのが分かりやすいでしょう。

マヌカハニーのMGO・UMFの数字は何を意味する?

マヌカハニーの商品を見ると、「MGO 100+」「UMF 10+」などの数字が表示されていることがあります。

この2つは同じものではありません。MGOはメチルグリオキサールの含有量を示すもの、UMFは複数の項目からマヌカハニーの品質を確認するための指標です。(⁠UMF)

MGOはメチルグリオキサールの含有量を示す

MGOは、先ほど紹介した「メチルグリオキサール」のことです。

たとえば「MGO 100+」であれば、1kgのマヌカハニーにMGOが100mg以上含まれていることを示します。

そのため、基本的にはMGOの数字が大きいほど、メチルグリオキサールの含有量が多いと考えることができます。(⁠UMF)

UMFはマヌカハニーの品質を示す指標

UMFは「Unique Mānuka Factor」の略で、ニュージーランドのUMF Honey Associationが定めているマヌカハニーの品質基準です。

現在のUMFでは、MGOだけを見るのではなく、

  • MGO
  • レプトスペリン
  • DHA
  • HMF

という4つの項目を検査し、マヌカハニーの品質や真正性、鮮度などを確認しています。(⁠UMF)

つまり、MGOは一つの成分を見る数字、UMFは複数の項目をもとに評価する指標という違いがあります。

そのため、MGOの数字をそのままUMFの数字に置き換えられるわけではありません。(⁠UMF)

数字が高いものを選べばいいとは限らない

MGOやUMFは、数字が高くなるほどMGOの含有量も高くなる傾向があります。

ただし、マヌカハニーを選ぶときに「とにかく一番数字が高いものを買えばいい」と考える必要はありません。

MGOやUMFの高い商品ほど価格も変わってきますし、何を目的にマヌカハニーを選ぶのかによって必要なものは違います。

大切なのは、数字の大きさだけで良し悪しを決めるのではなく、MGOやUMFが何を表している数字なのかを理解して選ぶことです。

マヌカハニーはなぜ普通のはちみつより高い?

マヌカハニーが一般的なはちみつより高価になりやすいのは、採れる場所や時期が限られることに加えて、マヌカハニーとして販売するための検査などが必要になるためです。

主に次のような理由があります。

  • 生産できる場所が限られる
    マヌカはニュージーランド各地に自生していますが、マヌカハニーを採るには、マヌカが咲く場所にミツバチを置き、花蜜を集めてもらう必要があります。どこでも同じように生産できるはちみつではありません。(⁠MPI)
  • 採蜜できる時期が限られる
    マヌカが咲いている時期にしか、その花蜜を集めることはできません。また、花が咲いていても天候などによって蜜の採れ方は変わります。そのため、毎年同じように生産できるとは限りません。(⁠MPI)
  • 生産量が自然条件に左右される
    はちみつは工場で一年中作れるものではありません。マヌカの開花や蜜の分泌、天候、ミツバチの状態などがそろって、はじめて採蜜できます。そのため生産量にも年ごとの変動があります。(⁠MPI)
  • 検査や品質管理が必要になる
    ニュージーランドから「マヌカハニー」として輸出するはちみつは、政府が定めた基準を満たしているか、認定された検査機関で確認する必要があります。化学成分だけでなく、マヌカ由来のDNAも含めた複数の項目によって判定されます。(⁠MPI)

つまり、「マヌカという珍しい花から採れるから高い」という理由だけではありません。

採れる条件が限られていることや、生産量が自然に左右されること、さらに本物のマヌカハニーであることを確認する仕組みなど、いくつもの要因が価格に関係しています。

実際にニュージーランド政府も、マヌカハニーは他の種類のはちみつより高値で取引される傾向があることを示しています。(⁠MPI)

味や食べ方にも違いがある

マヌカハニーと普通のはちみつでは、味や香りにも違いがあります。

ただし、「マヌカハニーはこの味、普通のはちみつはこの味」と単純に分けられるものではありません。

はちみつは採れる花によって風味が変わるため、それぞれの特徴を知って、食べ方に合わせて選ぶのがおすすめです。

マヌカハニーは濃厚で独特な味を感じやすい

マヌカハニーは、一般的に濃厚でコクがあり、ハーブや薬草を思わせるような独特の風味があります。

普段食べているはちみつをイメージして口にすると、「思っていた味と違う」と感じる人もいるでしょう。

もちろん、味の感じ方には個人差がありますし、マヌカハニーでも商品によって風味は異なります。

そのため、甘くクセの少ないはちみつを求めている人にとっては、マヌカハニーの風味が好みに合わない場合もあります。

普通のはちみつは花によって味や香りが大きく変わる

普通のはちみつも、すべて同じ味ではありません。

先ほども紹介したように、はちみつはミツバチが蜜を集める花によって、味・香り・色などが変わります。

たとえば、クセが少なくすっきりしたものもあれば、花の香りを強く感じるもの、コクのあるものなどさまざまです。

養蜂家としては、はちみつを「甘味料」としてだけでなく、花による味の違いを楽しめる食品として選んでみるのもおすすめです。

料理や飲み物に使うなら目的に合わせて選ぶ

料理や飲み物に使う場合は、どちらが優れているかではなく、何に使いたいかで選ぶと分かりやすいでしょう。

パンやヨーグルト、料理、飲み物など幅広く使いたいのであれば、味や香り、価格を比べながら好みのはちみつを選べます。

一方、マヌカハニー特有の風味や成分を目的に選んでいるのであれば、一般的なはちみつと同じように「料理に使う甘味料」として考える必要はありません。

普段使いなのか、味を楽しみたいのか、マヌカハニーそのものを取り入れたいのか。

食べる目的によって選び分けると、それぞれのはちみつを活かしやすくなります。

マヌカハニーと普通のはちみつはどちらを選べばいい?

マヌカハニーと普通のはちみつは、どちらが優れているというものではなく、食べる目的に合わせて選ぶのがおすすめです。

普段の食事に使いたいのか、はちみつそのものの味を楽しみたいのか、それともマヌカハニー特有の成分を重視したいのか。

目的が違えば、選ぶはちみつも変わります。

普段の食事や味を楽しみたいなら一般的なはちみつ

パンやヨーグルトにかけたり、飲み物や料理に使ったりするのであれば、一般的なはちみつから好みのものを探してみるとよいでしょう。

はちみつは採れる花によって味や香りが違うため、「普通のはちみつ」と一括りにせず、花の種類で選ぶ楽しみがあります。

価格の選択肢も広く、普段の食事に取り入れやすいのも特徴です。

マヌカ特有の成分を重視するならマヌカハニー

MGOなど、マヌカハニー特有の特徴を重視して選びたいのであれば、マヌカハニーが選択肢になります。

その場合は、単に「マヌカハニー」と書かれているかだけではなく、これまで紹介したMGOやUMFなどの表示も確認してみましょう。

ただし、マヌカハニーは食品であり、MGOやUMFの数字が高ければ健康効果も比例して高くなる、と単純に考えることはできません。

価格だけでなく「何のために食べるか」で選ぶ

マヌカハニーは一般的なはちみつより高価なものが多いため、「高いから普通のはちみつより良いもの」と思ってしまうかもしれません。

しかし、普段の食事に使いたい人と、マヌカ特有の成分を重視する人では、そもそも求めているものが違います。

迷ったときは、

  • 普段の食事や料理に使いたい → 一般的なはちみつ
  • 花ごとの味や香りを楽しみたい → 好みの花から採れたはちみつ
  • MGOなどマヌカ特有の成分を重視したい → マヌカハニー

というように考えると選びやすくなります。

値段の高さだけで判断せず、「何のためにはちみつを食べたいのか」を基準に選ぶことが大切です。

マヌカハニーも普通のはちみつも食べるときの注意点は共通する

マヌカハニーには一般的なはちみつとは違う特徴がありますが、どちらも「はちみつ」であることに変わりはありません。

そのため、食べるときには共通して気をつけたいことがあります。

  • 食べすぎに注意する
    はちみつの主成分は糖類です。マヌカハニーだからたくさん食べてもよいというわけではありません。健康を意識して取り入れる場合でも、食べすぎには注意しましょう。
  • 1歳未満の乳児には与えない
    マヌカハニーを含め、はちみつは1歳未満の乳児には与えてはいけません。乳児ボツリヌス症を起こすおそれがあるためです。加熱したはちみつや、はちみつを使った食品も同様です。厚生労働省も、1歳未満の乳児にはちみつを与えないよう注意を呼びかけています。⁠厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから」
  • はちみつは薬ではない
    マヌカハニーはMGOなどの成分が注目されることから、健康を意識して選ばれることもあります。ただし、マヌカハニーも食品です。病気を治すための薬の代わりとして考えるものではありません。

マヌカハニーも普通のはちみつも、それぞれの特徴を理解したうえで、食品として適量を楽しむことが基本です。

まとめ|マヌカハニーは「特別な別物」ではなく特徴のあるはちみつ

マヌカハニーと普通のはちみつの違いを見てきましたが、マヌカハニーも、ミツバチが花の蜜から作るはちみつの一種です。

マヌカの花から採れることで、MGOなどの特徴的な成分を含み、MGOやUMFといった指標が使われている点が大きな特徴です。

一方、一般的なはちみつにもさまざまな種類があり、採れる花によって味や香り、色などが変わります。

そのため、「マヌカハニーと普通のはちみつはどちらが上なのか」と考える必要はありません。

普段の食事に使うのか、花ごとの味や香りを楽しみたいのか、マヌカ特有の成分を重視するのか。

自分が何を求めているのかを考えて、それぞれの特徴に合ったはちみつを選んでみてください。

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